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大分薬草の会について

 大分県は豊かな自然環境に恵まれた農業県として発展してきましたが、近年農山村では高齢化が進み、人口も著しく減少して村落の存続さえ困難な地域が生じています。特に山間部では放置された農地や里山に竹や雑木が繁茂するなど荒廃が一段と目立ってきています。しかし、その荒廃した農地や里山には、薬用植物をはじめとする有用植物が多数あり、しかもその大部分は今日ではほとんど使用されていないため、今後これらを有効に活用できれば新たな経済的価値を生み、農地や里山の環境を改善し、豊かなまちづくり行う手だての一つになると考えています。

 そこで、本会の事業は薬用植物の利活用を通じて農業振興に資する提案であるとともに、研究者には研究の場を提供し、企業には新たな商品開発・販売に向けての機会となるものでなくてはならないと考えています。また、障がい者をはじめ、社会的弱者の生活を支援するため農福連携の活動を併せて行うものとすします。環境面では美しい景観整備を行い、まちづくりでは住民が安心してふれあえる良好な住環境の形成に努める等、豊かな地域環境を活かし持続可能な地域社会の創造に努めていきます。

 そのため、地域の様々な団体と連携を深め、情報交流を行い、地域住民主体による薬草を通じての「健康といやしのまちづくり」を促進することを目指して、ここに「大分薬草の会」を設立します。

 以上の目的を達成するために以下の活動を行います。

 

(1) 大分の薬用植物についての普及・啓発活動

(2) 大分の薬用植物の有効利用についての調査・研究活動

(3) 大分の薬用植物の商品化等の有効利用を支援する活動

(4) 大分の薬用植物のモデル地域(薬草の里)づくり

(5)   薬用植物のための里山等の環境保全活動

(6)  その他目的を達成するための活動

 

                            平成30年 3月21日

                            発起人 

                            田中 新正

                            矢野 忠則

                            後藤 敬三

メンバー紹介
会長  田中 信正

大分大学 名誉教授

​NPO法人碧い海の会理事長

​副会長 後藤 敬三

後藤総合工業社長

副会長 矢野 忠則

おくすり研究会理事長

​幹事 古城 修一

​NPO法人碧い海の会副会長

事業計画(案)

  1. 森づくり部会

    • 竹林雑木林の整備(作業道、作業用駐車場、トイレ等)

    • 価値の高い(高くなると思われる)樹木の植栽

    • 植栽する樹木の育苗(例:カエデ、キササゲ、アンズ、ギンナン等)

    • 森林浴や史跡めぐりなど観光に利用するため、景観に留意して取り組む

    • 孟宗竹林はタケノコ清算林として整備

    • 子供や市民が体験したり、遊んだりすることのできるゾーンを作る。

    • 広葉樹林を作る。

 

  1. 生産部会

    • 自然の物を採取してお茶や食品とする素材を提供する(高齢者、障がい者などの作業を作る)

      • 例:スギナ、ビワ、クワ、ドクダミ、ヨモギ、オオバコ等)

    • 健康食品や薬になる薬草を栽培する。→専門家によるアドバイスを得る

      • 例:ツルニンジン、エビスグサ、ナルコユリ、アマチャ等)

    • 商品化・販売部会と連動した活動を展開する

    • 希少生物など価値が高いものについては、外部に情報発信しない

    • 研究用として薬草園を作る(数年かかる)

 

  1. 商品化・販売部会

    • 地域の団体と連携して料理教室を開催(情報発信、お茶や料理の開発を含む)

    • 薬草料理マイスター講座の開設・実施

    • お茶やドリンクの開発(必要に応じて成分分析、安全性担保)

    • 地域発個性的な健康食品の販売

    • お店の展開(レストラン、コミュニティカフェ等)に必要な料理の提供

 

  1. 総務部会

    • 大南地区まちづくり団体との協力と連携

    • レストラン、カフェづくり

    • 情報の発信(活動状況や地域情報)

    • 若手会員の取りまとめ

    • 事務局(助成金、会議等の事務や産学官連携、他団体)

​薬草の歴史と課題
 本県は江戸時代の後期から明治にかけて医学啓蒙に尽力した日出町の帆足万里や豊後高田市の賀来飛霞を排出した、本草学の先進県としての心強い歴史があり、薬草を活かして「故きを温ねて新しきを知る」新たな取り組みを行う土壌に恵まれています。
 しかし薬用植物は簡単に採取や栽培ができる植物である一方で、毒性があるなど栽培困難なものもあるが、難しい植物ほど商品化できればその分の経済的価値は高くなる可能性もあり、薬用植物の有効利用を図るには、医学分野の専門家による安全性の裏付けや商品開発のための実証的研究が必要となります。
 そのため、薬用植物についての調査や市民意識の涵養といった活動も並行して行うことが必要になってきます。このようなことから、本会の構成員も幅広い分野から求めていきたいと考えています。
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